[記者会見文]

「76年も待たされた。三菱は謝罪して賠償せよ」

■過去、日本国は韓半島を侵略して植民地としたのに続き、自分たちが引き起こした戦争遂行のために、数多くの朝鮮人を死地に追いこむ反人道的な犯罪を犯した。小学校6年に在学中、14歳の齢で三菱重工業で動員された梁錦徳ヤンクムドクさんもそのうちのひとりだ。

2018年11月29日、大法院(韓国の最高裁)が被告三菱重工業(以下、「三菱」とする)に賠償命令を下し、今日で丁度3年になる。しかし3年過ぎても、判決は履行されないでいる。 三菱は謝罪の言葉どころか、問題解決のための対話要請すら繰り返し拒否している。

三菱が韓国の司法府判決を愚弄する間に、原告5人の中2人(金中坤キムチュンゴン、李東連イドンリョン)は故人になってしまった。 故人が生きておられた時に、謝罪の機会があったのだが、戦犯企業三菱はこれさえも拒んだのだ。

■それどころか日本政府は、妨害のために前面へしゃしゃり出た。企業を強圧して、判決履行を遮るかと思えば、「韓国経済の息の根を止めてやる」として、非道な経済報復措置まで取った。過去の不法行為を遅ればせながら正そうとするのが当然なのに、日本は突然にちゃぶ台をひっくり返し、韓日関係を破綻の至境に追い込んでいる。

反人道的な犯罪である強制動員は、当初から日本の国家権力の関与なしには実行できなかった。百回自粛しても足りないのに、日本政府が個別企業に賦課された賠償命令まで防ぐとは、実に底意地が悪い。

安倍、菅を継いで、新たに就任した岸田文雄総理もまた、強制徴用問題と関連して、「解決策は韓国が出すべきだ」と主張する。加害国が被害国に解決策を出せと言い張る姿には、虚しい笑いしか出て来ない。真に恥知らずな行為であり、被害者の傷に再び塩を塗り込む行為と変らない。

去る11月岸田総理は記者会見で、北朝鮮拉致被害者の一日も早い帰国を実現するため、条件なしに金正恩キムジョンウン国防委員長と直接対話する意志を明らかにした。日帝強制動員被害者の判決履行すら邪魔している日本政府が、日本人拉致問題を解決すると北朝鮮に対話を提案するとは、どれほど二律背反で厚顔無恥なのか?

強調するが、日本政府が自国民の人権問題を思いやるのなら、日本政府が日帝強制動員被害者に先ず謝罪した後に、被告企業もまた早く賠償の履行をするように日本政府から催促して当り前なことなのだ。

■大法院判決から3年経っても賠償が遅滞している事態には、韓国政府の責任も少なくない。力のない国に生またせいで連行されただけでも悔しいのに、韓国政府は被害の回復問題まで一人一人が、訴訟によって解決する姿を放置して来たからだ。韓国政府も被害者個人の問題から手を引いている状況で、被告の日本企業や日本政府が強制動員被害者をどのように対するかは、さらに聞く必要もない。

今回の問題だけを見ても、そうだ。強制執行が現実化し、韓日間の外交的葛藤に飛火して、やっと政府が重い腰を上げただけで、このような状況に至るまで省みることすらしなかった!

大法院判決以後、変わったものが何かあるのか? 大法院判決を得るまで6年と1ヶ月、大法院でやっと勝訴してからも3年経過した。これからさらに、どれだけ待つべきなのか? 日本から厚生年金99円を勝ち取って来るのも被害者の役割、訴訟も被害者の役割、それでも足りず国内で活動する日本企業の隠れた財産探しまで全部、被害者の役割であるべきなのか? 韓国政府の立つ位置は、どこにあるのか!

その例をまざまざと見せつけているのが、今訴訟すら出来ずにいる多数の被害者の境遇だ。そのような強制動員の被害者問題に対して、韓国政府はどんな認識と代案を持っているのか? 訴訟を通じて、敏感な懸案になる前までは、関心外の問題なのか? 「強制動員特別法」による、いくらにもならない「慰労金」を支給したことで、政府の役割を果たしたと言うのか?

■最後に三菱と日本政府に強調する。

解放から76年に至った。梁錦徳さんが1992年に日本政府と企業を相手に、初の訴訟(光州千人訴訟)を始めて、来年は30年目になる。単にお金のためだけではない。梁錦徳さんの闘いは、個人が奪われた人間の尊厳と名誉を回復することでもあるが、反対にその期間は日本国と三菱が自身の良心を全人類の前にさらけ出す時間でもある。いつまでその試験台に立つのであるか 。避けたとして避けることができることなのか

だからこそ言う。日本政府は妨害するな。三菱は謝罪して賠償せよ。

2021年11月29日

勤労挺身隊おばあさんと共にする市民の会

社団法人　日帝強制動員市民の会

（2021.11.29 am11:17修正）

（2021.11.30 am7:30修正）