強制動員問題解決と過去清算のための共同行動

日本製鐵元徴用工裁判を支援する会
共同声明


韓国大法院判決1周年に当たって


直ちに強制動員被害者の人権回復を!

 韓国大法院が元徴用工被害者の「強制動員慰謝料請求権」を認める判決を下して1年が経過しました。しかし、いまだに被害者は救済されていません。

 韓国大法院は昨年10月30日、日本企業が行った強制労働の不法行為責任を認め、植民地支配によって奪われた個人の尊厳回復を命じました。国際人権規範にも合致する画期的な判決でした。日本の司法は企業の不法行為を事実認定しながら被害者の請求を棄却しましたが、韓国の司法は植民地支配下の反人道的な不法行為に対する「強制動員慰謝料請求権」は日韓請求権協定の対象外であるとして請求を認めたのです。20年以上にわたる被害者たちの闘いは報われました。

 しかし、この判決に対し、安倍首相は、この問題は日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決済み」、「国際法に照らしてありえない判決」と非難しました。そして、多くのメディアがこれに追随しました。その結果、韓国を「国と国との約束を破る国」などと罵倒するヘイトスピーチまがいの言説がこの国の中に蔓延しました。さらに今年7月以降、安倍政権は大法院判決に対する報復措置として半導体材料の「輸出規制」に踏み切り、「ホワイト国」除外をも強行しました。このように元徴用工らが日本の「植民地支配と侵略」によって「多大の損害と苦痛」を被った被害者であるという事実、朝鮮植民地支配の歴史に向き合うことなく、ひたすら韓国を敵視する動きに憂慮を禁じえません。

 日韓基本条約締結に際して、日本政府は過去の朝鮮植民地支配を「合法」とし、「賠償責任」を認めませんでした。請求権協定による5億ドルの「経済援助」も「賠償」ではなく、韓国の「独立祝い金」であると言いました。しかし、条約締結30年後の1995年、村山首相談話は、日本の植民地支配に対して「痛切な反省と心からのお詫び」を表明しました。2002 年の日朝ピョンヤン宣言でも同様の見解を表明しています。安倍首相の発言は、これらの日本政府の見解にも反するものと言わざるを得ません。

 一方、被告企業の日本製鉄も安倍政権の圧力に屈し、いまだに判決を履行していません。不法な強制動員によって利益を得た当の企業が、自らの企業行動規範=「各国・地域の法令を遵守」に反し、その責任を果たさないことは許せません。かつて日本製鉄は、釜石訴訟において1997年、元徴用工遺族と和解をした経験も持っています。企業が決断するならば問題解決の道は開けるのです。

 大法院判決の原告の一人故呂運澤(ヨ・ウンテク)さんは「日本製鉄は、法とか外交協定のような政治的な決定の後ろに隠れずに堂々と前に出てこの問題について責任をとって下さい」との悲痛な言葉を残して亡くなりました。ただひとりの生存者原告の李春植(イ・チュンシク)さんは判決直後のインタビューに「原告は4人なのに、私一人で判決を受けたことがとても辛くて悲しい。一緒に判決を聞くことができなかったことが寂しくてならない」と答えました。被害者にとって長い長い1年が経過してしまいました。被害者にもう残された時間はありません。

 大法院判決は日韓両政府が妥協の産物として結んだ日韓請求権協定が曖昧にして長年放置してきた強制動員被害者の救済を命じました。被害者のために日韓両政府、そして強制動員に関わった企業が知恵を出し合って一日も早く問題解決を図ることを強く求めます。

2019年10月30日
          

 日本製鉄元徴用工裁判を支援する会
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